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いざという時、距離、タイミング、融通性が重要です。 ディスタンス タイミング フレキシビリティ

1 ディスタンス(距離)

あなたの鳩尾(みぞおち)から真直ぐ地面におろした場所をあなたの正位置とします。
相手との距離の目安を、距離別に分類しましょう<対面エリア・接近エリア・接触エリア>以上の3つを防衛エリアとして仮定します。

(1)対面エリア

襲われたときに背を向けて逃げ出せるほどの距離はなく、お互いが腕をを伸ばしたら手が触れる。
大きく一歩(パンプス2足分)近づかれると、体幹部(胸や肩など)に伸ばした手の平が届くような距離。

対面ライン



(2)接近エリア

半歩(パンプス1足分)近づかれたら体幹部(胸や肩など)に伸ばした手が届く距離。

接近ライン



(3)接触エリア

手を伸ばすと体幹部(胸・両肩・ウエスト)に届く距離~すでに体が触れている状態。

接触ライン




事務所や住宅の防犯と同じに、まず建物外周の防犯区画を強固することも重要ですが、私たちには相手を遮る壁がありません。建物内部に侵入されたと仮定する防衛ラインを判断基準として設けておくことで、不審者ストーカー等の接近状況で何ができるかが絞れてきますので、対処する際のタイムロスが少なくなります。

エリア図

2 タイミング(時期)

相手の攻撃があっての防御ですが、肝心なのはそのタイミングです。
バレーボールで相手のサーブやアタックをブロックする時、タイミングってありますよね。遅すぎても早すぎてもボールを上手くボールを返すことができません。相手チームの動きからタイミングを合わせて跳び、ある程度の経験者になるとその時点で手薄になっているポイントに向けて返すということまでしているわけです。

一口にタイミングといっても感覚の問題なのでさっぱりかと思います。
3つに分解してご説明しますね。

①リズム 3拍子・2拍子・1拍子 (自分の基本となる動き)
②同調 相手のリズムに重ね合わせた動き(伸ばしてくる腕や肩などを狙います)
③変調 相手のリズムからずらす動き(動きの少ない脛や膝裏、脇などを狙います)

①はあなたの動きのリズムをあなた自身があたまと身体で一致させておく準備です。
②・③は相手の動きに対する自分のリズムの使い方を、ざっくり二分化しちゃったものです。

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①自分の動きのリズムをつくりましょう。

3拍子からはじめます。足の一歩の踏み出しで一拍子とします。1・2・3と歩いてみてください。合わせると一歩半進んだことになります。これは先ほどの"(1)対面防衛ライン"にいる相手の位置となる距離です。この3拍子の歩数を利用して相手の攻撃を回避します。

踏み出す角度を一拍子ごとにかえて横に動いたりしてみましょう。それにしてもサルサのダンスはよく足がもつれませんよね。3拍子の歩行に慣れたら腕もつけてみましょう。
どちらでもよいので踏み出すタイミングに合わせて、掌を突き出すようにスッと前に伸ばして同時に反対の腕はやはり掌を突き出すように下に伸ばします。

3拍子ができるようになると2拍子、1拍子と拍子を組み合わせることで動きが途切れることなく回避運動を続けるようにします。


②次は相手の動きにあわせます。

自分のリズムができたら相手のリズムにあわせて動きましょう。
相手がこちらに歩いてくるイメージをもって相手の歩行のリズムに先ほどの自分の拍子を合わせてみましょう。一度お友達とご一緒に練習されるとより具体的なイメージができるようになりますよ。

混雑した駅の構内など向かってくる人とすれ違うたびに皆自然と体を回避しています。
そして回避するスペースが無い場合には、ぶつかると思われる肩や半身を脱力して衝撃を最小限にしてすり抜けている方も多いですよね。普段の何気ないこの動きが護身術の動きといっても過言ではありません。

相手の動きを判断して自分の動きを同調させて回避する。これがタイミングの取り方です。


③相手の動きをみて自分の動きのスピードを変化させてみましょう。

実際には相手はこちらの動きに反応して動きを変えてくるでしょう。
そこで相手に合わせるために自分の拍子をずらして修正することが必要になってきます。
練習で相手のリズムにタイミングを合わせていけるようになってきたら、自分の拍子を変えてみます。

相手が1拍子の動きをするときに自分は0.5拍子+0.5拍子の動きや3拍子の間に1拍子+2拍子の動きをするということなのですが、感覚の問題ですので感覚的に説明しますとタン・タン・タンの間に自分はタン・スゥ~タンと動いたりすることです。

タンが何なのかについては、足の踏み出しや、両足間の体重移動だったりとあくまでも感覚的なものなのでイメージとして捉えておいて結構です。動きに合わせられるようになればなるほどにイメージも湧き身体が動くようになっているでしょう。

3 フレキシビリティ(融通性)

柔軟性が重要ということなのですが、別に体の柔軟性のことではなく、発想の柔軟性ということです。ひとつの動作にこだわらずに今できる動きを続けていけることです。

たとえば・・・

両手をつかまれて動けません。
抱きつかれて動けなくなりました。
地面に押さえつけられて跳ね除けられません。


では、どこが動かせますか?

足首、左膝、頭、腰、左手首、右肘、両肩
そうです。関節部位ごとにわけて考え、動かせるところを探してください。

どの方向に動きますか?

下、後ろ、斜め横、前と上
それぞれ動かせる方向があると思います。

そこはどれぐらい動かせますか。

約10cm、約5cm、前は3cm上は5cm、まったくのフリーなど。
大体でよいので自分の状態を把握します。相手の圧力を正面から跳ね返さずに動かせる角度と範囲で結構です。

それらを組み合わせてどんな動きができますか?

体を捻る、転がる、腰を下げる、膝で蹴り上げる、頭突き、物を掴む、体重を移動する。
今この状況で何が可能かを探ります。ただの一挙動でも相手はそれに反応して動きます。その動きに乗じて、さらに動かせる箇所を組み合わせ動き続けていきましょう。


拘束状態から脱出できるまで動きを止めないように次から次へと変化を続けていきましょう。


緊張せずに臨機応変に自然な動作を 緊張せずに臨機応変に 自然な動作




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