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女性のためのバトン(警戒棒)講座 警察官やガードマンの方たちは、敵意を剥き出しにして向かってくる相手を制圧するために効果的な警棒術の型を習得します。筋力体格を活かしきるため繰り返し振り身に染み込ませます。まさに相棒になるまで練習するのです。相手はこちらを倒すべき敵としてではなく獲物とみていますので制圧できなくとも抵抗する意思表示と防御ができればよいのです。そのため警戒棒術と異なった方法になりますが、ここでは女性が使用することを前提に、効果的に振れるようアドバイスさせていただこうと思います。

“バトンの道はスベテに通ず”です!

防犯女子実践講座① バトン編

なぜ最初にバトン(警棒)なのよって思います?
それは、バトンが前項の“いざという時の為に”にありましたディスタンス(距離)タイミング(時期)フレキシビリティ(融通性)養われる防犯装備だからなんです。
実際に使用するのが催涙スプレーやスタンガンだったとしても、バトンで練習したことが活かされるハズです。

※文章のみでは、イメージし辛く伝わりにくい部分がほとんどかと思います。少しづつ改善していく予定ですので、どうかお付き合い下さいね。では張り切ってどうぞ!



3段式警戒棒(バトン)の写真

◆女性がバトンを使ううえで重要なのは、力いっぱい打つことよりも
"力=重さ×速さ"、振る速さで力を補うことです。 そのため、あまり重いものは使用せず、軽めのバトンをチョイスしましょう。

人類が最初に手にした道具は、石、骨もしくは木の棒であるといわれています。
約400万年も前のことです。日本では引き戸が開かないようにするつっかえ棒を、盗賊が来た際には、護身用に使うということで用心棒といって、それが警護のボディーガードのことをも指すようになりました。


身を守るものとして何か無いかとあたりを見回すとき、きっとあなたは本能的に手頃な棒状のものを探しているでしょう。それは触れたことの無いものでも道具として使い方を知っていて多少の違いならばあなた自身で対応でき、役に立つと瞬時に判断しているからです。


使い方は受ける・振る・突くなど、1本で攻守ともに備えることができます。
人の歴史とともに進化してきた現代のバトンは、効果的な使い方さえ知っていればなお使いやすく、あらゆる場面でもっとも応用が利く護身用具でしょう。

またバトンは護身に係わる基本的な体の使い方や距離感の基礎をイメージするのに最適です。
長さや重さ的にもバランス良くできていますのでバトンを持っていない方もご自宅で棒状の近いものがございましたら麺棒や折り畳み傘など身近なもので結構ですので一緒にイメージして振ってみましょう。


◆防御は、2段、3段階で相手のバランスを切り崩していく◆

1打目で相手の攻撃を打ちます。
2打目に空いたところ(手首~肩、関節付近など)を打って
相手の不安定な姿勢(頭上がみえる姿勢、前屈みなどバランスが悪い姿勢)になった時、
最後に袈裟切りのように打ち下ろします。

膝カックンされた直後そのまま斜め下に肩をスゥーっと引かれたら尻餅をペタンとついてしまうでしょう?されたことない場合には一度隙をみてやってもらえると体感できるのですが、それに似たイメージといってよいでしょう。

つまり腕力でバシーンと打ち据えるのではなく肩と腕の重さを使って打ち崩すのです。
防御が主なので、大きく振りかぶって打ち下ろすことはほとんどありません。

“①ユルメて振り上げ⇒②振って⇒③シメて止める”動作です!

握り:握り方は料理のときいつも握っている包丁と同じ 感じでよいでしょう。
緩め:手首がブラブラ動く程度まで握力を抜きます。
振り:肩甲骨・肩・肘・手首すべてを使い振ります。肘からリードする軌道を描くイメージ。
締め:雑巾を絞りきった状態の手の返しです。

テニスやバトミントン、新体操のこん棒やバトントワリングなどの経験があれば使い方や重量バランスや締めにもすぐに慣れるでしょう。

打ち方のポイントは肩甲骨の上下運動、肘のリードと手首のスナップです。意識して打つと重さが増します。

“体幹部とのレンドウさせることで効果は何十倍にも”です!

振りと体幹部と連動させることで、腕の負荷を軽減し回避動作ができるようになります。

体と振りの連動の練習”

①バトンを両手で持ち足を肩幅よりやや広めに開きます。
②振り返るように横を向き振り返った方のつま先を開きます。
③前足になった方の膝を少し曲げ体重を移動します。
④向いた方向の肘が顔の前を下から上に通るように、バトンを肩と腕の力を抜いてゆっくり頭の上に振りかぶります。
⑤そのまま上体を倒さないようおへその少し下までゆっくり振り下ろします。

次は方向転換をします。

⑥手は振り下ろした位置に残して反対側を向きます。
⑦前足になった方の膝を少し曲げ体重を移動します。
⑧向いた方向の肘が顔の前を下から上に通るように、先ほどの位置のままにしてあるバトンを肩と腕の力を抜いてゆっくり頭の上に振りかぶります。
⑨そのまま上体を倒さないようおへその少し下までゆっくり振り下ろします。

最初はゆっくりと大きな動きを繰り返すことで体との連動を覚えることができます。


慣れてきたらバトンをお臍の前を通過するタイミングで雑巾を前に搾り出したようにバトンをぎゅっと締めましょう。棒に体を振り回されることなく振り下ろすことができます。

次の動作に移る前にフッと上体の力を抜いてみましょう。力がONの時間は短い方が動きがスムーズになります。ゆっくりからでよいのでバトンの先が∞を描くように区切らず、流れるように振っていきましょう。

体重移動と振りを連動できるようになったら徐々にスピードをあげていきます。

狙うべきバショは!?

さて、バトンは相手のどこを狙うべきかです。
当てる場所は首から下です。頭は当たると危険との理由でNGとされていますが、たとえ狙っても金的と同様に本能的にガードされやすい(咄嗟に手で庇う)場所なうえ、的が小さく硬いところなので護身が目的の場合には向いてません。

基本は手首、肘、肩、脇腹×2(左右)で計8箇所が主なポイントになります。
あなたの一番近くにある腕などが打ちやすいのでそこから狙います。

ポイントとして各関節部上下10cmの範囲を打つのがよいですね。

そのほかバトンは打ったり突いたり引っ掛けたりと、状況に合わせ様々な応用ができるのが大きな特徴です。


10年以上前になりますが、刃物で襲われた警備員が相手の突進を止めようと3段式のスチール製特殊警棒で犯人を迎え撃ちましたが、防刃ベストの隙間から刺されてしまったという話を聞きました。犯人の痣などから12回叩いていたことがわかりましたが鉄製の警戒棒が曲がるほどの力で打ち続けていたにもかかわらず相手は倒れなかったのです。このことからも興奮状態にある相手を力で制することの難しさがわかるかと思います。あくまでも相手との距離をとるためのもの、相手の攻撃を回避するものであると考えましょう。



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